外は雨降りだった。明日から、たった4日間なのに、何だか寂しい気持ちに麗はなっていた。


透もまた、同じ気持ちだった。


「麗、今日も初めてしようか…」


透は口ぐせのように、麗と初めて何かをするときには、決まってこう言う。


「一緒にお風呂に入ろう。泡ぶろにしてさ~どう?」


透は今でも、明るい中で麗が裸になると恥ずかしがるのを知っていた。泡ぶろにすると、見えないから…という配慮だった。


「え~恥ずかしいな。電気消してくれる?」

「はぁ~!?電気消したら、体洗えないよぉ~大丈夫見ないから」

「透の嘘つき~」


「明日から、麗の顔しばらく見れないから…」


麗は笑いながら、お風呂にお湯を入れた。泡ぶろに…と言った透の気持ちはわかっていたので、泡ぶろにはしなかった…


この時二人は、この夜が二人にとって最後の夜になるとは思ってもいなかった。ただ…透だけは、夢の中で、気づかずに麗にそれを知らせていたのかもしれない。