「開けてみて~」


ロウソクの炎が消えかかっていたので、透はスタンドに小さなあかりを付けた。


麗はゆっくりとプレゼントの包装を取り、箱の中からハート型になったケースを手に取った。透は優しく微笑ながら、隣で麗の肩に手を回しながら髪をなでてくれていた。


「麗、開けてごらん」

麗が開けると、中に二つ並んだ、ペアーリングが入っていた。


「貸して…」


そう言って、リングを一つ取ると、麗の右手の薬指にそれをはめてくれた。


「左手の薬指は、俺との結婚の日までとっておいてな~」


透は麗にもう一つのリングを渡すと、自分の右手の薬指にはめさせた。


麗は微笑んでいたが、瞳からは、大粒の涙がこぼれ落ちた…


「ありがとう…透。嬉しい…」


ちょっぴりだけどお兄さんになった透に


「お誕生おめでとう…」


と囁いた。


「ありがとう。もう少し先になるけど、俺ちゃんと麗にプロポーズするからな…俺の夢…叶えるから…」


麗は透のぬくもりを感じていた。重なりあい、触れあいながら…ずっとこの幸せが続く事を願って…