続 初めての恋 ~大切なあなたへ~

透は困っていた。部屋に二人きりなのはまずい。自分の気持ちが止められなくなりそうだと…


「透、透はあれからどう過ごしていたの…っていうか…恋人は…」

「麗は…麗は答えられる?聞いてもいいかな…」


麗の瞳から涙がこぼれ落ちた。透は触れてはいけないと思っていたのに…泣いている麗をもうほっておけなかった。


麗の頬に両手で触れて親指で、そっと涙をぬぐった。そして…


優しくキスをした。


あの頃と同じに麗は震えていた。泣きながら…透には答えがわかっていた。麗は自分以外の男に触れられたことがない事…


「透、私ね…」


そういいかけた麗の言葉を透は、唇を重ねて言わせなかった…


そして強く麗を抱きしめた。震える麗の体を透の胸で包み込むように……


街中のホテルだというのに、とても静かだった。もう、二人に会話なんて今はいらなかった。会えなかった時間の中で、未熟だった二人は、大人へと成長はしていた。が、気持ちはずっと変わる事はなかった…


再び会う事ができた昨日まで…