続 初めての恋 ~大切なあなたへ~

「麗、一度部屋に戻って、書類取ってきて会社…すぐ傍なんだけど、届けなきゃならなくなって…すぐ終わるんだけど、俺の部屋でちょっと待っててくれるかな?」


「あ、うん。大丈夫…」


透の泊まってるホテルは、ビジネスホテルにしては、大きくて綺麗だった。


「ちょっと待っててな。」


ガチャッ


ドアがしまると、部屋のソファーに麗は腰を下ろした。


ふと、パソコンの横にあった鍵に目がいった。家の鍵や、会社の鍵のようなのがついていた。その中に、色がはげているクマをみつけた…


「えっ!」


思わず手に取ったストラップ。あの時オソロイで買った…ハートのついた…ずっとつけていたのだろうか。キラキラ光っていたストラップは、色もはげて輝きがなかった。


麗は鍵を戻すと、窓の外をぼんやり見ていた。


透は、私と離れてから恋人がいたのだろうか。聞いてみようか、麗は悩んだ。胸が苦しくなった…


バタン、ガチャ


「ありがとうな麗」


透はテーブルにあった鍵に気づくと、それをポケットにしまった。