「透、ごめんね大丈夫よ。透と過ごしたあの頃の事思い出してたら……」


透は少し横向きになって、麗の横顔を悲しそうな顔で見ていた。


透も、思い出していた。麗を守る…って約束したはずだったのに、離れる事になって、さよならも言わずに別れた事…ずっとずっと後悔していた事…


今、麗に触れたら、麗が壊れてしまいそうで…触れられない自分に苛立ちさえ感じていた。


「透…」


「大丈夫か…」


「うん…」


透は静かに車を走らせた。黙ったまま、海沿いの道を走っていた。

「今日は、何時位までに送ったらいいかな?お腹もすいてきたよな~どうする?食事でもしようか…」


「…うん」


海沿いに、可愛いレストランがあった。窓際から海が見える。


透は駐車場に車を止めると、ちょっと泣き顔の麗を気遣って、窓際の区切られて個室のようになってる席を頼んでくれた。


海を見る感じで、二人は並んで座れる席についた。


「さあー麗、たくさん食べて、笑顔にならなきゃ!俺は麗の笑顔が大好き…ね」


あまり食欲がなかった。軽めの食事を取り、車に戻った。透も、麗の気持ちを考えて、静かに食事を済ませた。