透と麗は、中学の学祭や友人達の話しを、笑いながらしばらくしていた。


音楽を聞いたりしながら、40分ほど走ったところで


「麗、初めて…しようか」


「ん?初めて…」


目の前に、砂浜が広がり、海に出た。


「麗とは、中学の頃全てが初めてだったよな…今日の初めては、海に来た事」


雨はいつの間にか止んでいた。でも、また降り出してそうな雲。外に出るのは、あきらめた。


窓をあけると、波の音が心地良かった。


「麗、俺…今も麗との思い出は大切にしているよ。忘れる事なんてできなかった。麗にもきっと辛い思いさせたよな…」


「……」


「麗…ごめん。俺また変な事言った?泣かないで…麗…」


麗は思い出していた。今までは、忘れないとって封印していたあの頃を、透と再会できて次々と思い出していた。


告白されて、自分の気持ちに気がついた事、初めてのキスで震えてしまった事…クリスマスイブに二人は、一つになった事…透の引っ越しを知って、泣きながら愛し合った…そして~さよならの日