「あっ!
もうそろそろしたら
会長んとこ迎え来るよね?
もう一回、
かけてみようかなあ…」
電話をかける手を会長の言葉が止めた。
「あのさ…なんで俺のこと
『会長』って呼ぶの?」
「…?… だって
生徒会長さんだもん。」
アタシは意味が分からずに
こう答えた。
会長であることには変わりはない。
「そうだけどさ、
『会長』じゃなくて
名前で呼んでほしい。」
アタシは会長の気持ちがよくわからなかったけど…、
とりあえず、『会長』って呼んじゃダメなことはわかった。
「わかった!
『中村くん』に戻すね。」
また距離が空いたような気がしてなんか淋しかった。


