「障がいを持っていると聞いた時、障がいを持っていない人は大抵、自分との間に線を引きたがります。」
「……線?」
彼はうなずく。
「例えば、あなたの友達が急にあなたの頭を叩いてきたら、どうしますか?」
「……怒りますよ?」
「……じゃあ、何らかの障がいを持った人が、あなたの頭を叩いてきたら、どうしますか?」
……どうするんだろう。
僕は、突然のその話に戸惑いを覚えた。
「……そこで、障がいを持っているから仕方ないか、と思ってしまうのがいけないんです。そこにはもう、憐れみや諦めが含まれています。」
「……はい。」
「だから、真希さんだって、少し時間はかかるし、一度に考えられる物事の量は少ないけれど、ちゃんと自分の考えを出せるはずです。僕たちと同じ人間なんですから。」
……もう、彼の目からは僕に対する敵意は感じられなかった。


