君が僕の名を呼ぶから


「真希のために翼くんが自分を諦めるんじゃないかって心配だったの。」




「……分かってます。でも今は、今の僕は、真希と共に歩んでいく力があります。」




「……そうね。」




真希のお母さんはそう言って微笑んだ。




「真希は病院に行ってるの。もうすぐ帰ってくるはずよ。お茶をいれるわ。」




そう言って真希のお母さんはリビングを出ていった。




「……ひとまずよかったのかな?」




「……うん、そう思う。」




「僕、翼の家に戻ってようか?」




「……え?」




聡史はそう言って立ち上がる。




「僕はちゃんと肩を押したから。それに、真希さんが帰ってきたときに、僕がいたら、気まずくなるでしょ?」




聡史はそう言って笑い、リビングを出ようとした。




「……こんにちは!」




……その時、初めて聞く声が玄関から聞こえた。