君が僕の名を呼ぶから

「……真希は、翼くんのことを許すも何も、元から怒ってないの。」




「……えっ?」




「真希は、翼くんのことが好きなはずよ。でも、真希に翼くんが急にいなくなったわけを理解させるのは難しい。真希は、ただ悲しんでいた。」




……僕がいなくなったことを悲しんでくれている。




今の僕に、これ以上の言葉はなかった。




「今真希はね、ちょっとした絵を描く仕事をしてるの。」




「……そうですか。」




「真希の描く絵にはね、いつも翼くんがいるのよ。」




「……僕が?」




真希のお母さんはゆっくりと頷く。




「……ごめんなさい。真希と翼くんを離れさそうとしたあの時のこと。」




正直、謝られるとは思ってなかったから、面喰らってしまった。