君が僕の名を呼ぶから


「……翼。」




真希の家の前。




「……うん。」




僕はゆっくりインターホンを押した。




「はい……。」




聞き覚えのある真希のお母さんの声。




「……あの、翼です。」




「え……翼くん?今、開けるわね!」




真希のお母さんはひどく驚いた声でそう言った。




「……翼くん。」




それからしばらくしてドアが開き、真希のお母さんが出てきた。




……目頭が少し熱くなる。




僕は、頭を深々と下げた。




「こっちは大学の友達の松田聡史といいます。」




僕が頭を上げ、聡史のことを紹介した。




「……翼くん、それに松田くん。どうぞあがって。……今は、真希はいないけど。」




僕たちは、真希のお母さんに促されて、懐かしい真希の家に入った。