君が僕の名を呼ぶから

久しぶりに見る故郷は、少しだけ僕の知らない部分を含んでいた。




森だった場所は切り開かれ、住宅地になっていたり、




清らかな水が流れ、小魚が泳いでいた小川は埋め立てられていた。




「……翼、大丈夫?」




「あっ……うん。」




あまりに駅を降りてからボーっとしていたのか、聡史が心配そうに声をかけてくれた。




「……行こっか。少し僕の想い出の場所も案内したいし。」




「うん。慌てる必要はないよ。時間はたっぷりあるし。なんなら大学の授業サボって、翼にとことん付き合うよ。」





……少し、心の緊張が解けたような気がした。