それぞれに、さよならを。



――――――――…



「ねー瑤、どこがいー?」



「…飯旨いとこ」



「えー。それじゃわかんない」



「…つーかどこでも良くね?つかいつもんとこでいいんじゃね」



渋々開けた扉の奥。



ソファーで対面…(対面ってゆうのか疑問だけど)する二人。



王様は(名前なんか恐くて呼べない)棒アイスをかじりながら先程の如く偉そうにソファーに体を沈めている。



反対側の不審者は(あれ、名前なんだっけ…)ソファーの上に身を投げ出してゴロゴロとフリーペーパーの雑誌を広げていた。



(…私、来なくても良かったかな)



静かに扉を閉めて一歩足を中に踏み入れた。



途端に向けられた二つの姿勢。



「あ、美月ちゃん。ちゃんと来たね?えらいえらい。来なかったら家まで迎え行くところだったよ」



「…おせぇ。何時間待たせんだって」



にこりと笑う不審者に、隠す事なくため息を吐く、王様。



前半恐ろしい事を言われた気がするけど、あえて聞かないでおこう。



"何で家まで知ってるの"なんて、犯罪の匂いしかしないでしょ。