「じゃあ、気をつけて帰れよ」 「うん。じゃあね」 司と分かれ、私はいつも通りに自宅を目指しす。 必死に司が目薬をしてくれたおかげで、私の充血はすっかり消えていた。 手鏡を閉じ、笑顔をつくる。 「よしっ」 お兄ちゃんにはもう、迷惑をかけない。 河嶋先生から聞いてそう思った。