「うーんそうね。お兄さんは厄介ね…」 「え?知ってるんですか?」 厄介って何? お兄ちゃん、何かしたの…? 「うふふ。随分と妹思いのお兄ちゃんね」 柔らかく河嶋先生は笑った。 「昔ね。“光ちゃんの問題”について、お兄さんが押しかけて。生意気だった担任を殴ったの。知ってた?」 私は驚きに目を見開き、ぶんぶん首を振った。 (私への嫌がらせを知ってて無視してた あの担任を…)