「ごめんなさい」 謝って、私とお兄ちゃんは歩き出す。 後ろめたさを感じたけれど、こうするしかない。 「…司、アルバイト頑張ってるかなあ…」 私とお兄ちゃんは両親を亡くした。 お兄ちゃんはともかく私は小さ過ぎて、両親の温かみも何も残らなかった。 そんな私をずっと守ってくれたのは、お兄ちゃん。 「ありがとう…」 「ん?どうした?」 「ふふっ、何でもないよ」