「ねえ。付き合った頃、覚えてる?」 学校の隅に咲く、桜の木を眺めながら、ふと聞いた。 入学式を終えた1年生たちが、きゃあきゃあと話している。 「ん。覚えてるけど。俺から入学式に告ったんだろ」 懐かしさが込み上げて、思わず私は笑みがこぼれる。