「離してくださいっ!!」


怒声を撒き散らかしたというのに、
玲さんは手を離してくれない。


「からかってるんですか!?わたしは、司という人が…っ!?」

「離さねえ。好きな女は、ぜってえ奪う」


掴んだ私の手を引っ張り、玲さんは後ろから抱きしめた。

嬉しくない。
胸が痛い。