「ぅっ…うぇえん…」 「おかえ―――うわっ、どうしたんだ光!?」 結局、家に帰るまでに涙は晴れず、私はお兄ちゃんに泣き顔を晒すはめになった。 お兄ちゃんの包み込むような優しさにまた涙する。 「何かあった…みたいだね」 お兄ちゃんは、私の赤くなった右手を冷やしながら聞く。 殴っちゃった…。 力加減なんてなかったけれど…司、大丈夫かな…。