「えっと…。靴を貸して下さった先輩っていうのが、…玲さん、なんだけど」 悪戯に玲さんは微笑んでいる。お兄ちゃんは複雑な顔で、それを見つめていた。 気まずい。 「…まあ、上がりなよ。光が世話になったんだし」 お兄ちゃんが切り出し、私もあわてて玲さんを居間に通す。 「どうぞっ」 「へーい」