「明日ね、友達の唯ちゃんが来るんだけど」


「よかったじゃん」


「その子もお金持ちでホッとしたw」


「あ、だから俺に執事らしくいてほしいってことかな?」


「はい笑」



"唯ちゃん"って、もしかして笹本財閥の令嬢か・・・?



「その子さぁ、笹本唯って子??」


「うん、そうよー♪」



俺は、笹本希央と同級生だ。

希央はきっと唯の兄だろう。


アイツは、いいヤツだった。


なのに、なのに・・・。






死んだ。



5年前の通り魔事件の被害者10人のうちの、たった1人の死亡者だった。


一番仲のよかった俺は、親友の死が信じられなくて、希央と無言の対面をした。


俺は、亡き親友の亡骸にすがりついて声を張り上げて泣いたんだ。



「唯ちゃんってね、5年前にお兄ちゃんを亡くしたんだって」


「知ってる」



「…え?」


「ッッ! 新聞に、書いてたのを親が読んでたからっ^^;」



「…そっかそっか・・・・^^」