「つばきさん。遅刻してすいませんっ!」
後輩のしおりが大慌てでカウンターに入ってくる。

「ええよ。今日デートやったんやろ?私入るから、帰っていいで」
「そんなん申し訳ないですよ!つばきさん、最近ずっと休みなしですもん!」
そう言って、しおりは私の持っていたシェイカーを取り上げた。

「お疲れ様です。つばきさん」きっぱり言いきったしおりは、さっさと帰れと言わんばかりのそぶりを見せる。

私は笑いながら、
「はいはい、頑張ってね」
と言って、踵を返した。


私は常連の客に一礼して、
カウンターから出た。