大学受験日 「香南、忘れものは?」 「ないって。 どうしてママ達が心配してんのよ。 大丈夫だって。 いままでがんばってきたもん。」 そう言って私は鞄を手にして大学へむかった。 大丈夫なフリをしていたけれど内心はドキドキ。 ずっと高鳴る心臓。 「やばい。」 落ち着かなくちゃ。 頭でわかっているのに落ちつけない。 そのとき。 “ぷるる…” 「ん?」