あなたが来てくれて嬉しい



「入院したって。お互い彼氏彼女できて、最近は会うことなかったけど、仲は悪くないからな…居てもたっていられんようになった」



ふーにゃんがおれを指差す。



「そうしたらお前が、あんまし不甲斐ないことしとるから、まるが可哀想になった」


そういえばふーにゃんには世話になってること忘れていた。


ふーにゃんがあの時病室に連れ戻してくれなかったら…


「大事にしてやれよ、オレらは男じゃ。女は守ってやらんと」



「…ふーにゃん何歳なの?なんかオッサンくさいわー」



「27。…ようゆわれる」


二人でアハハと笑った。


話し易い、やつだった。
よく笑って、ツレとかたくさん居そう。
仕事頑張ってて、話も面白くて、頼りになって、付き合いもよくって。


ふーにゃんなら、まなも会いたがるの、何となく分かる気がした…。


それを言ったらふーにゃんは首を大きく振る。


「まるはそんなん言う女じゃねぇよ、もし言ったっていうなら、お前が言わせたんじゃろう」


そうかもしれない。

ただちょっと、決めつけられてムッとする。


「『付き合う』っていうのはなぁ、Hする仲っていうのもあるけど、相手を絶対裏切らんってことじゃ」



「裏切らないって?…よく分からんわ」



「何か問題が起きて、自分の女が一方的に悪かったとする」


フンフンとうなずくおれ。


「周りがどんなに女の敵になっても、自分だけは絶対に味方ってことじゃ」