あなたが来てくれて嬉しい



ふーにゃんの家らしき、マンションに着いたのは6時半ごろ。


だいぶ辺りが暗くなってきている。



マンションは分かっても、おれはふーにゃんの顔を知っているわけじゃない。


郵便受けに名字が載ってるかとも思ったけど、一つ一つ部屋をまわるのは骨が折れそうだった…。


まぁ、まず誰か住人が通りかからないと…セキュリティ万全パスワード式のこのマンションに、入れそうにない。


1時間ほどたって、若い女性が来たが、近づこうとすると不信そうな目で見つめられ足早に中に入ってしまった…(汗)


「はぁぁ…どうするかねぇ」


頭を抱えたその時、ジャリッという足音が聞こえて、

おれは今度こそと振り向いた。


「――あ」



知っている、顔だった。



こいつは、あの時の。