表紙をめくる。


5月10日

今日ふーにゃんと別れた。
理由は特にない。
ただ、この人ならもっといい人が見つかる、そう思っただけ。



「…なーんだ」


最初のページで既に、まなは『ふーにゃん』と別れていた。


もう1ページめくる。


5月20日

ふーにゃんと会わなくなって一週間以上。
付き合っていてもそんなに会ってるわけじゃなかったから平気。

ただ声も聞けないのはちょっと寂しい。
仕事で疲れてないかな、いつものマッサージ、してあげたい。



「…ふむむ」


あまり面白くない内容だ。

おれはパラパラとページをめくっていく。



どうやら日記は一昨年から書き始めたものらしい…


「これって…」


読み進めるうちに得体のしれぬ違和感を感じはじめる。



10月21日

今日は服を買いに行こうと思って、ふーにゃんとよく行った服屋さんに行った。
するとふーにゃんが普通に買い物をしてて、『よぉ』と片手を上げて世間話をしてくれた。



12月24日

今日はプレゼントを用意して、仕事終わりはお化粧直しして外に出た。
なんとなく分かってた。来てくれるって。
本当に久しぶり、でも当たり前のようにふーにゃんは助手席に乗せてくれた。