なんだ、そこに居たのか、にゃんちゅー。
「返事しないんだなー。まなに聞いてたとおり」
スルリとしなやかな身体をくねらせて、にゃんちゅーは2階の部屋へ消えた。
おれはそ~っと後を追う。
トン、トン‥‥
階段をそぉっと上っていくと、
太陽の一番当たる部屋、まなの部屋のドアが少し開いていた。
キィ‥‥
ドアをゆっくりと開けると、
にゃんちゅーは、机の上でまるくなっていた。
「かわい、気持ち良さそー」
おれが思わずなでようと、身体を浮かした瞬間、にゃんちゅーがおれの存在に気づいた。
「あっ」
目が合って1秒も立たないうちに、
にゃんちゅーはデブネコとは思えない俊敏さで、机を飛び降りた。

