「あ…あぁ…! いや!!」 手を振り払おうと暴れまくる。 そんなみことを落ち着かせようと、巡が何か言葉を発していたが全く聞こえなかった。 ふいに、爪に柔らかいものが食い込んだ。 勢いのままに引き下ろし、自分の爪がそれを裂いたのだと自覚する。 涙を浮かべたまま顔を上げれば、頬から血を流している巡と瞳が合った。