「壊れてるね」 ノイズ混じりの機械の音を聞いたような錯覚に捕われた。 どくん、どくんと全身が悲鳴を上げている。 「けど、そんな君も僕は好きだよ」 悲鳴を、上げた。 声の主が誰なのか理解して、耳を塞いで叫んだ。 「僕のために泣いてくれるの? 嬉しいな」 みこととは全く逆な、穏やかな声音で遡羅は呟いた。 嬉しそうに、近づいて来る。