悔しさと憎しみを孕んだ鋭利な瞳。 射抜かれんばかりに睨みつけられ、巡が叫んだ。 「貴様の死など、悲しむ奴なんていない!」 ブンと手にしていた街灯を、目の前に立つ巡へ振りかざす。 飛びのいてかわされ、遡羅は歪んだ唇を吊り上げた。 狂笑が夜の闇に響き渡る。 それに呼応するように、遡羅の体を風が取り巻いた。 白髪が夜空を弾くように舞い、それから覗く瞳は美しくも歪んでいた。