じりじりと街灯が消えかかる。
点滅する光の下にいたのは、制服を着たままの遡羅だった。
公園の時計が示している時間は既に深夜の二時。

学生がそんな時間に制服で出歩くなど、普通に考えたらおかしなことだ。

けれど遡羅は微笑みを浮かべたまま、ついと視線を移動させた。

「こんばんは、巡くん」

笑い混じりに口にした名前は、転校生のもの。
この世で一番大嫌いな男の、名前。