何度考えても、わからなかった。かと言って突き放すことなど、みことに出来るはずがなかった。
学校でみことのそばに自分の意志でいてくれるのは、遡羅だた一人だけだからだ。

暗くて、話す事も下手で、消極的。それがみことという存在。
そんな私と一緒にいてくれるのに、と申し訳なく思う。
みことは精一杯のぎこちない笑顔を浮かべた。

「同じクラスだと、いいね」

「うん。…ふふ、だから大好きだよ、みこと」

この台詞も、何度も聞いたことがある。
しかし本気じゃないことはわかっているし、友達としてという意味だと理解している。
ありがとうと曖昧な笑みを浮かべた。すると遡羅は満足したように微笑んだ。