ざわりと、風が吹き抜けた。
小さくなって行く友達の背中を見つめたまま動けず、みことはその場に立ち尽くす。

鞄を持っていた手の力が入らなくなり、音を立てて落ちてしまった。
次いで、みことの体も傾ぐ。
膝をついた形で座り込んでしまったみことは、ただ瞠目していた。

どくん、どくん。

大きく鼓動が跳ねている。

全身が悲鳴を上げている。