どうして、彼が名前を知っているのだろう。
他のクラスメイト達が巡に話し掛けているのは見た。彼は席を囲まれて、自己紹介のようなものをしていた気がする。
けれど、私はしていない。
話し掛けられなかったし、クラスメイト達もみことのことを紹介しているとは思えなかった。
驚きで身が固まってしまい、声が出せない。その場から動く事もできない。
すると急に巡の腕が伸びて来て、手首を掴まれた。
あれ、と思った瞬間には勢いよく引かれていた。そして巡の背中だけがみことの瞳に映る。
がさがさと草の音がして初めて、みことは巡に引きずられて道沿いにあった公園内にある林の中へと連れられたのだと自覚した。
他のクラスメイト達が巡に話し掛けているのは見た。彼は席を囲まれて、自己紹介のようなものをしていた気がする。
けれど、私はしていない。
話し掛けられなかったし、クラスメイト達もみことのことを紹介しているとは思えなかった。
驚きで身が固まってしまい、声が出せない。その場から動く事もできない。
すると急に巡の腕が伸びて来て、手首を掴まれた。
あれ、と思った瞬間には勢いよく引かれていた。そして巡の背中だけがみことの瞳に映る。
がさがさと草の音がして初めて、みことは巡に引きずられて道沿いにあった公園内にある林の中へと連れられたのだと自覚した。
