「雪乃みこと」

謝っている声を遮るように、名前を呼ばれる。
酷く耳に残っている、あの――声で。

「え…」

ゆっくりと上体を起こして、雅は目を丸くした。
視界に見えたのは、白い制服。そして、黒髪。

「みも…り、くん?」

目の前に立っていたのは、転校生。
みことの夢に何度も出て来た少年と同じ顔を持つ、三森巡だった。