「……着いた………」 潮の匂いと静かに流れる波の音。 ―――そう。あの場所というのは海のこと。 幼い頃からなにかあったらいつもここに来ていた。 海特有の潮の匂いと、この波の音が、 いつも俺の心を落ち着かせてくれる。 なぜだかわからないけど……。 俺はひとつ伸びをし、深呼吸をして砂浜に座った。 ―――ああ、やっぱりここは落ち着くな…… さっきまでの気持ち悪さもとれてきて、 だんだん気分も良くなってきた。 .