「まったく、教師もなにしてんだか、もう私達待機して20分もたってるじゃない」

「まあ、そうカリカリすんなって」

「あ、正一...」


私がブツブツと文句をたれていると前の席に座っていた幼馴染の神原正一が振り返った。


「先生も新入生の親とか待たなきゃいけないんだって」

「ま、まあ確かにそうだけど...」

「んなこともわかんなかったのか?学年2位」


正一がニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべながら私の成績の順位を口にする。


「うるさい、だいたい1位はあんたでしょ。1位の方と同じ意見もつわけないでしょ、しょせん2位の私が。はーい凄いなあ1位様は!あいかわらずメガネが似合うガリベン君だなあ!」

「うるせーよ!コンタクトいたそうなんだよ!」

「チキンかよ」

「んだとゴルァ」


正一がそういったとたん頭を誰かにはたかれた。


「お前ら静かにしろ。ったく、学年上位組みの他のヤツは静かにしてんぞ!見てみろ小谷なんか暗記カード使ってこんな時間にすら勉強してんじゃねぇか!」

「先生、あいつ暗記カードに官能小説の文、書き写して時々ニヤニヤしながら読んでるヤツだぜ?あんなヤツと一緒にすんなよな」

「な、なんだと、それは教師として見逃しはできん。一旦没収して、ひとまずじっくり読むとするか」

「おい、それで良いのか教師」


かおるは冷静につっこんだが古典の宮木はもうその場を去っていた。


「発情エロ教師め、奥さんいんのにアホだね」

「あぁー、だから別居されるんだよ」

「え、別居中なんだ?」


『それでは新入生の入場です』


「あ、これはさすがに喋ってられんな、じゃあカリカリしたオーラひっこんだみてぇだし、俺はきちんと前を向くことにするわ」

「内申点落ちるよ、はやく前むけ」


ニヤニヤしながら言った正一の顔をべちっと押さえて前をむかせると、新入生が入ってきた。





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