馬鹿にした様に笑いながら、フォークからコーヒーカップに持ち替えた。
「なんだよ?酒飲みたいの?」
想太くんはカップをぶつける前にアタシに尋ねた。
「んー…もう少し後でにする。」
想太くん、こういう事はうるさくないんだよなぁ。
なんて、そんな事を思いながら自分のカップを想太くんのカップに近づけた。
なのに想太くんは、それを避けた。
「後でって…俺は既に眠い感じなんですけど…」
飲む?って言ったのは自分のくせに想太くんは言った。
「仕事、するの?」
今度映画化が決定した小説の脚本を、想太くんが作る事になっている。
それがなかなか完成しなくて、急かされているのをアタシは知っていた。
「今日はしない!歩いたから疲れただけ。」
想太くんはめんどくさそうな顔をして言った。
知ってたけど。
正月、節分、ひな祭り、子供の日…と行事の日は仕事をしない事。
「うっわ、歳だねー」
そしてもう1つ。

