「ご飯は?要る?」
アタシはいつものように言った。
「ごめんね、要らない。疲れちゃったから寝るわ。」
震える声で言ってたの、知ってる。
本当は寝てなかったの、知ってる。
本当は泣いてたのも、知ってる。
この日から、かな?
お母さんは、元気がなくなってしまった。
違う、いつもと違う。
お母さんはこんなんじゃない。
こんなお母さん、知らない…
お母さんは家から出なくなった。
情緒不安定な感じで、常に泣き出しそうな顔をしている。
夜もなかなか眠れてない様。
少し窓が揺れただけで、寝がえりを打つくらい。
落ち着きがないというか、そわそわしてる。
アタシもおちおち眠れない。

