お母さんは強い。

周りのどんな言葉にも負けないで、いつもアタシに笑顔を見せてくれてた。




だからお母さんの帰りが遅くても、待ってた。
ご飯の作り方も、いつもお母さんにひっついて見てたから覚えたし

夕飯を作ってお母さんが仕事を終えて帰ってくるのを待った。


学校に行って、帰ってきて家事をする。
それがアタシの毎日だった。



4年前のクリスマスイブの日。
ケーキを作って待ってたのに、お母さんは帰ってこなかった。

いつのまに眠っていたのか、トントンとまな板を叩く音で目が覚めた。


「お母さん、どこに行ってたの?ケーキ…」


お母さんは困った顔をして笑った。


「ごめんね、お仕事だったの」


プレゼントも無かったのは、正直ショックだった。
でも、お母さんは毎日仕事を頑張ってくれている。
わがままは言いたくなかった。