次の日、俺は警察がうちに来て事情聴取を行った。


俺は全てを思い出して噛み締めるように話した。


出会った日の事。
彼女が家に来た日の事。

突然の出来事を理解するように、昨日の事。


麻子さんが“居た”という事実を確認するかのように。





警察は、莉麻ちゃんが麻子さんと刺した事を咎める事はしない、と言った。
莉麻ちゃんに残る外傷から、麻子さんが莉麻ちゃんを殺そうとした。
麻子さんはお金に困っていたらしく、多額の借金と残高0の通帳。
無理心中を試みたものと、警察は判断したそうだ。

その時、身を守る為に莉麻ちゃんが取った行動は正当防衛。
不可抗力だ、という事で話は丸まった。



それと、今日の朝意識を取り戻した莉麻ちゃんは





記憶障害になってしまった、との報告を受けた。