気付いたら、霊安室に居た。
警察が来たのか、救急車が来たのか、自分で呼んだのかすら分からない。
後ろに立っていた警察の人が、倒れていた少女はまだ意識は戻っていないが一一命は取りとめた事を知らせて、部屋を出て行った。
きっと彼女が莉麻ちゃん。
顔は、どんな表情だっただろう?
そこから、どうやって帰ったのか…
どうせ会えないと分かっていた人が亡くなった。
会えない、という現実は変わらないというのに
その日から俺は活力というものが全く無くなった。
麻子さんが、この世に居るか居ないかだけで、俺の世界は色を失ってしまうなんて

