彼女が語った。
俺はただ聞く事しか出来なかった。










お客さんに、こんな話した事ないんだけど…
想太くんは私の中でなんとなく別だから、聞いてもらえるかな?

実は、私ジングルマザーなのね?
父親は分からない。
身体を売っていたのは、もうずっと前から。
こんな歳にもなって、まだ売れるなんて思ってなかったけど。
まだまだ私も、捨てたもんじゃないでしょう?
なんて調子に乗るのもそろそろ限界かな、って最近思ってるんだけどね。

娘は、もう14歳なの。
中学生の女の子なんて複雑で、大変だと思うでしょ?
でも全然、手のかからない子でね?
家の事は全部やってくれるの。

これ、写真。
莉麻っていうの。
私に似て、可愛いでしょう?
なんて言って…


だけどね…

最近よく発作が起きちゃって…
身体にガタがきたかなぁ…?
もう歳だし。

貯めてた貯金崩しながら、生活してこうかとか考えてて。






ってなんでこんな話までしちゃったんだろ、と付け足して麻子さんは笑った。
この笑顔は本物だと思った。