「へーき…」
僕はそのまま、食べきれなかったおかゆののったスプーンを口に運ぶ。
「だめ、火傷したら大変だもの。ゆっくり食べればいいから。」
麻子さんはそう言ってベットに乗り出すように僕の上に乗ってスプーンに向かって“ふーふー”した。
頬を膨らませておかゆを見つめる彼女は、以前のベットで見た表情とは対照的。
「はい、どーぞ?」
顔をこちらに向けてにっこりと笑う。
熱が上がりそう…
目を逸らしておかゆを口に含んだ。
少しだけ吐き気がして手を止めた。
「ごめん、きつい…少し寝る」
視界がぼやけて目を閉じた。
意識はすぐに薄れて、麻子さんが何か言っていたけど聞こえなくなった。
熱い…
ねえ、麻子さん。
君はなぜ、あんなところに居たの?

