絶対に忘れないように。


「だから断ったんだ。」


本当に…?
アタシの事を考えて、断ったの?

「ふーん」


余裕なんてないのに。
あるフリをする。

だからこうなるんだけど…
すれ違ってしまうんだけど…
これはアタシのせいなんだけど…


「だけど、1日だけ付き合ってって言うから」


そしてその言葉で、とても冷静じゃ居られなくなった。
作った仮面が、脆くも崩れてしまった。

アタシはフォークを置いて、言葉を待った。

早く、早く次の言葉をちょうだい。


震える手でコップを持って
唐辛子のせいでピリリと痛む乾いた喉を潤す。

「付き合ったって言っても、食事しただけ。」


そう。
それでいいの…

他の誰かを愛すなんて、だめ。
まだ早すぎる。


もっともっと、幸せを味わいたい。