部屋でひとりしき泣いた後、寝てしまったようで。
枕は涙で濡れてしまっていた。
がちゃがちゃと食器が擦れる音で起きた。
うっすら開いた目には、想太くんが食事の支度をしてるところ。
…ここ、アタシの部屋。
「ん。」
アタシはとりあえず起きた事を想太くんに知らせた。
かったるい身体をのっそりと起こすと、部屋の見慣れたテーブルにスパゲティが並べられてあった。
「おはよう。」
想太くんはこちらを見ないで言う。
「ここで食べるの?」
食事はふたり分。
ご飯は絶対に揃って食べる。
この2年間で、別々に食べた事なんてなかった。
「あぁ、たまにはいいだろ?」
この部屋で食べるのは、久しぶり。
アタシが熱を出して寝込んだ時だけ、想太くんがご飯を運んでくれて一緒に食べた事が何度かあった。
「うん…」
アタシは怒ってるのに。
想太くんは怒ってないのかな?
ガキが何か言ってる、程度にしか思われてないのかも。

