もう少ししたら、計画中の映画が放映される予定。
これから、忙しくなるもんね。
後でコーヒーでも淹れようかな、なんて思ってたけど意味がなくなってしまった。
どれだけの事で、アタシの気分は落ちてしまう。
「そっか、頑張ってね!」
アタシは知ってる。
想太くんを担当する編集部の人が、女の人だって事。
そして想太くんは気付いてないかもしれないけど、その人はきっと想太くんの事が好き。
「あぁ、ありがとう。」
アタシは想太くんに向かってにっこり笑って、食器を片付けにキッチンに向かう。
想太くんは何故かそれに付いてきた。
「なに?」
本当は行って欲しくない事が、ばれてしまいそうで冷たく言った。
大丈夫って心の中では思っているのに、何故か不安になる。
「寂しいんだろ?」
アタシがスポンジに洗剤を含ませて、水に手を付けた後に想太くんはアタシを後ろから大きな腕で包み込んだ。
水に手を付けた後でそうしたのは、きっとアタシが抵抗しない為だ。
でも、今は逆効果だよ?想太くん。
「なんでそう思うの?」

