なんだか、学校用のアタシみたい。
なぜか明るくふるまってしまう。

嫌われた方が楽だと思って、本能のまま行動出来てたのに、今は嫌われたくないと思ってるからかな?
思わず、良い子になろうとするんだ。

それが今のアタシの本能なのかも…。


「今昼飯食ったのに、もう夕飯の話かよ」

想太くんは垂れ目な笑顔のまま言った。
せっかく冷やした顔が、また熱くなりそうだ。

そうして想太くんは立ち上がって、自分の分の食器を片し始める。

「いいよ、やっておくから。お仕事頑張ってね。」


なんて、なんだかお嫁さんになった気分だ。
いつもの事なのに。

関係が変わっただけで、気持ちはこうも変わるものなんだ。


「いや、これから少ししたら編集部の人と打ち合わせがあるから…」


想太くんは申し訳なさそうに言った。
声だけで見て取れる想太くんの表情。


アタシは想太くん博士になれそう。