後ろで掴まれた手を渾身の力で振り払って、アタシはベットから出た。
「あ…」
忘れていた、裸という現状。
アタシは今までに出した事がないくらいのスピードで、自室に走った。
走る距離じゃないんだけど。
ものの10秒足らずで部屋に入って、勢いよくドアを閉める。
想太くんに触れられたところから、熱が広がる。
火照った身体を隠すように、服を身につけていく。
学校にはもう間に合わないし、あまり真面目に通ってるわけでも良いから欠席で良いとして。
べつに何をするわけでもないんだけど。
明るいうちに起きておかないと、生活リズムが狂ってしまう。
昨日、想太くんに買ってもらったワンピースを身に纏って、部屋から出る。
月曜日は、ご飯係のアタシ。
昨日の家事は全て想太くんが行ってくれたから、今日はアタシが完璧にやろうと決めていたのに。
新しいワンピースを汚さないように、エプロンを肩にかけて後ろで紐を結びながらキッチンに向かう。
お昼ご飯、何作ろうかな。
冷蔵庫を開けて、メニューを考えていると、想太くんがズボンだけ履いてアタシの隣に立った。

