「腹減った…」


今までの行為からは感じとれない色気のない言葉。
理解するのに少し時間がかかった。

してる行為と言葉が合ってない気がするんですけど…


「じゃあどいてよ!」


何にもしないのにこのままの体制でいる事が耐えきれなくなって、アタシは去勢を張った。

「でも離れたくねーよ」


不意打ちの嬉しい言葉。
どうしようもないくらいに嬉しくて照れくさい。

こうして、想太くんがアタシを好きでいてくれると実感させてくれる。

この愛に自信が持てるんだ。



「…ん。」

アタシだって離れたくない。

想太くんはアタシの上から下りて、また横になった。
そしてアタシを強く抱き締める。

その力強い腕が、大好きでたまらない。

アタシも想太くんの背中に腕をまわして、抱き締めた。

想太くんは、それより強い力でアタシを抱き締める。

アタシもさっきより力を込めて抱き締め直した。


そしてまた想太くんも、より強い力でアタシを抱き直す。